最終更新日:2021.4.14
執筆者:夫婦問題・離婚カウンセラー
及び 女性相談員 泉谷 美奈子
「別居中の妻の不倫は不貞行為にならないと聞きました、本当ですか?」
「別居したあとに旦那に不倫されてると知ったのですが、慰謝料請求できないんですか?」
このような相談や質問を受けることがあります。
このページでは、すでに夫や妻と別居している(家庭内別居も含む)場合に、不貞行為の慰謝料を請求する方法を、パターン別に解説していきます。
「目次」
①単身赴任などの仕事、子どもの学校や親の介護の都合
②夫婦関係再構築、復縁に向けての準備期間中
③お互いが、離婚するつもりで、離婚のための準備期間中
④家庭内別居中の不倫で慰謝料を請求できるのか?
Q.別居しているときの不倫は、不貞行為にならないって本当ですか?
A.別居中の不倫はOK、不貞行為とは認められない、ということではありません!
キーポイントは、不倫が行われる前に「婚姻関係がすでに破綻していたか、していなかったか」です。
Q.不倫されても別居後だと、慰謝料は請求できないの?
A.別居(家庭内別居も含む)の「不倫=不貞行為」の慰謝料を請求するとき、争点になるのが「不倫」が行われた時期になります。
ここからは、慰謝料請求ができる、別居中の不倫のパターンとそうでないパターンをみていきましょう。
仕事の都合で仕方なく別居=単身赴任。
これも立派な別居です。
この他にも、夫婦の不仲を理由としていない場合の別居であれば、婚姻関係が破綻しているとは認められません。
この場合、別居が長期間にわたっていたとしても、夫や妻の不倫は不貞行為として認められ、慰謝料を請求することができます。
長年寄り添ってきた夫婦には、少なからずお互いへの不満があったりするものです。
今後、夫婦関係を修復していくのか、離婚すべきか迷っている時など、お互い一時的に離れてみるというパターンの別居もあります。
また、口喧嘩をして勢いで別居してしまったとしても、お互いに連絡を取り合っていたりすれば婚姻関係が破綻しているとはみなされず、不倫されたことに対する慰謝料を請求することができます。
既に夫婦関係は冷め切っていて、無関心、お互いが離婚するつもりで、長期間別居しているような場合には、婚姻関係が破綻しているとみなされることがほとんどです。
しかし、このような別居中の夫婦でも、相手が不倫をしたと知ったとたんに、心の内とは真逆に「実は復縁の意思もあった」などと言い、慰謝料を請求するケースも珍しくありません。
このケースの場合には、不倫した側が、不倫した時点で、既に婚姻関係が破たんしていたことを立証しなければなりません。
結局、夫婦関係が破綻していたとまでは認められずに、慰謝料を支払うことになる場合もあります。
また、別居中の夫の家に、妻が家事をしに訪れたり、子供も含めて一緒に食事に行ったりする機会があるかと思います。
このような場合、お互い離婚の意思があったとしても、家族として機能しているとみなされることがあり、場合によっては、夫婦関係は破綻していない、と判断されることがあります。
家庭内別居に明確な定義はありません。
夫婦の数だけ「家庭内別居」のスタイルも異なります。
例えば、
・夫婦間の会話がほぼ無い、
・一緒に食事を取らない、
・寝室は別々、
・家計は別々、
・お互いに夫婦関係を修復する意思がない、
・男女としての愛情を感じない、
このような状況下であっても「住む場所は同じまま」という生活状態のことを家庭内別居とすることが多いようです。
ほとんどの場合、家庭内別居が数年続いている場合は、長期間の別居と同様「夫婦関係が破綻している」と判断されます。
夫婦関係が破綻しているとみなされた場合には、一つ屋根の下に住んでいたとしても、不倫の理由で慰謝料を請求することが難しくなります。
しかし、離婚のための準備期間中の別居でもお伝えした通り、夫や妻の不倫を知ったとたんに、手のひらを反し、「復縁する気があった」と主張して、慰謝料を請求するケースもあります。
別居している場合の不倫の慰謝料についてのキーポイントは、「夫婦関係がすでに破綻していたか、していなかったか」が重要になります。
ですので、もちろん、単身赴任中などの別居パターンの場合は、別居中であっても複数回の不倫は「不貞行為」とみなされます。
その反面、婚姻関係が破綻したあとの異性との恋愛に関しては、「不貞行為」とみなされず、慰謝料が認められないことがあります。
別居中の夫や妻が不倫しても、夫婦関係が破綻していた、とみなされてしまうと、不貞行為の慰謝料だけでなく、下記も認められなくなってしまいます。
・夫、あるいは妻の不貞行為が離婚理由にはならない
・不倫相手への慰謝料請求が認められない
【参考情報】
キス1回でも不貞行為になる?不倫の慰謝料「相場や時効」などを解説
何度も言いますが「別居していたとしても、夫婦関係が破綻していないにも関わらず、夫や妻に不倫された場合は、慰謝料請求ができます(不倫相手にも)」
(もちろん「言い逃れのできない証拠があること」が大前提ではありますが)
しかし、不倫した夫や妻があなたとの離婚を望んでおり、なおかつ「慰謝料を払いたく無い」という場合には、夫婦関係が破綻していたということを、主張してくるでしょう。
このように、同居中の不倫に比べ、別居中(家庭内別居も含む)であれば不貞行為の慰謝料を請求することが難しくなります。
すでに婚姻関係が破綻していた、とみなされる前に、夫や妻の不貞行為があったことを証明できる証拠があれば、慰謝料請求は、かなり有利になることでしょう。
この時の争点は、「不倫」が行われた時期になります。
「夫婦関係が破綻していない」時期に「不倫」が行われたという証拠を示していく必要があります。
別居、特に家庭内別居中に夫婦関係が破綻していたかどうかは、客観的な判断が難しく、裁判においても判断が困難となります。
【参考サイト】
慰謝料請求調停|裁判所
別居前に夫や妻の不倫の証拠をつかんでおくことがベストですが、必ずしも、証拠を押さえた後に別居となった、というケースばかりではありません。
・異性の存在は感じていたけど、言い逃れのできない証拠はつかめていない状況で別居してしまった、
・別居後に不倫していることが発覚した、
実際は、このようなケースの方が多いのです。
相手の行動パターンを把握するのが難しくなってしまう、という理由からも、すでに別居していて、不倫の慰謝料を請求したいとお考えの方は、できるだけ早い段階で、不貞行為の証拠を獲得しておく必要があります。
別居中の不倫で慰謝料請求を検討されている方は、専門家への相談をお勧めいたします。
【参考情報】
証拠がない!不倫を認めない夫や妻、探偵の浮気調査は必要か?
ここまでできる!探偵×浮気調査|方法と内容&マル秘テクニック
・別居中の不倫で慰謝料が請求できるパターン ・一緒にいたくない!もう無理! 1日も早く家を出たい気持ちも分かりますが、別居するには何が必要なのかを考え、冷静になって、準備を進めていきましょう。 ・単身赴任がきっかけで不倫に走る確率は?
・離婚率はどのくらい? 浮気調査の成功事例
・別居後の浮気調査は意味がない? ・単身赴任中の場合、浮気調査が成功しやすいってホント? 別居した後の離婚
別居した後、復縁する方法 |
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「別居してたら不倫は不貞行為にならない?慰謝料が請求できないってホントなの?」をご覧いただきましてありがとうございました。
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